陽光桜誕生秘話

愛媛県の農場で故高岡正明氏の手で開発されました。

「陽光」という品種で、特徴は「アマギヨシノ」に「カンヒザクラ(別名台湾緋桜)」を交配して得られた実生の中から時間をかけて選抜、育成されたものです。

品種開発の経緯には、悲しい秘話があります。

太平洋戦争当時、青年学校の教師だった高岡正明さんは「日本は神の国だ。戦争には負けることはない」。そう言って送り出した教え子たちの戦死の知らせに,悔悟と自責の念が心に重くのしかかってきました。

あのきれいに咲いた桜の下で、記念写真を撮った生徒の一人一人を思いだして「戦地に散った教え子たちにも桜をみせてやりたい」「世界の人々よ花を見て、もう争いはやめよう」と。

太陽が照りつける南の国や、酷寒の北の地で、犠牲になった彼らが眠るどんな場所でも花開く丈夫な桜、世界の人々に親しまれる美しい桜を作ろうと、

残る人生に彼は生涯をかけて、桜の品種開発を続けました。

30余年たって「陽光桜」は1979年に悲願の桜として完成しました。

観賞用には花が葉より先行し、花色が良くて、花付もよく、

樹勢の強い品種が求められます。

「陽光」という品種は、この条件に合致するもので、農林水産大臣からは、

桜としては全国で初めて、第1号種苗登録許可を受けた素晴らしい品種です。

開花期が3月下旬から4月上旬で、ソメイヨシノと比較して花色が

ピンクであること、通常の開花期が少し早いこと、

樹木の寿命が長いことが特徴です。

 

このような誕生秘話のある「陽光桜」に私たちは出会い、

「平和を願って」私たちの手で乙訓の地に毎年植樹を続けています。